私たちの陽子線治療の基本方針は、
「安心」していただける医療サービスの提供です。

  • ① 患者様の状態とご希望を考慮して、最適な治療法を選択します。
  • ② 治療後の充実した生活のため、副作用を軽減することを考慮します。
  • ③ がん以外の疾患や心配ごとに対しても、医療チーム全体で対応します。
  • ④ 紹介元の医療機関と緊密に連携して、患者様をフォローします。

患者様の状態とご希望を考慮して、
最適な治療法を選択します。

がんの標準的な治療法は手術、薬物、放射線ですが、治療法はそれぞれ進化し続けています。また、最近は免疫療法などの新しい治療法も開発されています。
私たちは、陽子線治療だけでなく、それぞれの治療法に専門的な知識や経験を持つ医師や医療スタッフがチームを組んで最新の知見を持ちより、患者様にとって何が最善かを考えます。そのうえで、患者様やご家族と相談し、ご希望や生活スタイルなどをもとに、一緒に考えて治療法を決めます。
従って、複数の治療法を組み合わせたり、陽子線治療がご希望でも他の治療法を勧めることもあります。その時は、医師個人の見立てではなく、チーム全体の見解として患者様の治療法を提案します。

治療後の充実した生活のため、
副作用を軽減することを考慮します。

がん細胞は「生き物」であり、自分の体の中に発生しています。治療は、「生き物」を取り除く(手術)ことや殺す(薬物や放射線)ことになりますから、正常な細胞にも影響を与えることは避けられません。これが「副作用」です。
私たちは、より高い治療効果を探るだけでなく、治療後の生活においても、副作用などが可能なかぎり最小になるような治療法を提案します。治療に数か月かかっても、その後に続く生活の方が長いです。治療に伴う副作用は5年後や10年後に現れるかもしれません。
私たちは、長期に亘って生活が充実し、ご本人やご家族の負担が少なくなるような治療に努めます。

がん以外の疾患や心配ごとに対しても、
医療チーム全体で対応します。

がん患者は高齢の方が多いので、他の疾患をかかえていることがあります。たとえば、腎臓が悪かったり、糖尿病だったり、脚の手術をしたばかり、などのケースです。
当院には33の診療科があります。総合病院ならではの連携をすることが可能なので、がん治療と並行して別の疾患の治療をすることもできるのです。同じ病院で他の疾患の診察や検査、治療を受けられるのは心強いと思います。
また、病気になると、身体のことだけでなく、お仕事との両立や費用負担など生活上の心配が生じることがあります。そのような時は、お一人で考え込まず、「患者様支援センター」にお気軽にお立ち寄りください。専門の相談員(医療ソーシャルワーカー、看護師)が患者様やご家族のお話を伺い、困りごとの解決のサポートをさせていただきます。

紹介元の医療機関と緊密に連携して、
患者様をフォローします。

がん治療に限らず、医療は当院だけでは完結しません。病歴を含めて患者様のことを一番良く分かっているのは身近な「かかりつけ医」です。専門的な治療は当院で行うとしても、その前後のフォローは、多くの医療機関との連携がなければできません。
「紹介状」をもらって受診する、というのは一方通行ではありません。当院での治療後は「かかりつけ医」に「逆紹介」し、患者様のフォローを身近なところで引き続き行って頂くことになります。
また、大きな病院との連携も不可欠です。「陽子線治療」ができる施設は限られていますから、役割分担をして、当院がその使命を果たすことになると思います。